〜冷血

カポーティの『冷血』を読み終わった。
キャンザス州ホルカムで実際に起こった一家四人殺人事件を書いた、ノンフィクション・ノベルである。
小説家がノンフィクションを書いて面白いのか?とはじめは思っていたけれど、事実であると認識するほどに引き込まれ、夢中になって読んだ。これは面白い。
2人の犯罪者ディックとペリーの生い立ち、殺人に至るまでのエピソードがとても細かくて、まるで小説の中で作り上げた人物のように思えるけれど、全てカポーティの取材によって得られた真実であるところがすごい。
なお、この作品にのめり込むカポーティを題材にした映画『カポーティ』が新宿武蔵野館でモーニング上映中。主演のフィリップ・シーモア・ホフマンは本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞している。早く観にいかねば。

冷血 (新潮文庫 赤 95C)

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