〜予告された殺人の記録
初めてガルシア・マルケスを読む。
面白かった。こういう、人間臭い物語を、わたしは好きだ。
これは『百年の孤独』も読まないと。
あらすじはこうだ。
盛大な結婚披露宴の次の朝、サンディエゴ・ナサールが惨殺される。
彼が殺されることを町じゅう誰もが知っていた中、何故殺人を止められなかったのか。
彼の友人だった語り手が数十年後、その予告殺人について様々な人にインタビューし、記録する。
淡々と続くその"予告された殺人の記録"の中で、名誉や正義、または儀式や宗教といったものの背後にある人間の本質が徐々に浮き彫りになり、また、閉ざされた町の中での人々の生活や家庭のあり方が明らかになっていく。
しかし最後には壮絶な死の場面だけが鮮やかに残り…。
ちょっとフォークナーっぽいなと思ったら、やはり彼はフォークナーを耽読していたそうだ。
ちなみにガルシア・マルケスは、1982年にノーベル文学賞受賞したのだけれど、その受賞理由は、「現実的なものと幻想的なものを結び合わせて、一つの大陸の生と葛藤の実相を反映する、豊かな想像の世界」を創り出したということらしい。
- 作者: G.ガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,野谷文昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/11/28
- メディア: 文庫
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