雪の下の炎

チベット民族蜂起が起こった1959年に投獄され、以来33年間に渡って刑務所や労働所で苦難の日々を過ごし、現在はフリー・チベット運動に全てを捧げている、チベット僧のパルデン・ギャツォ氏を追ったドキュメンタリー映画である。
監督はニューヨーク在住の日本人女性、楽真琴(ささまこと)さん。非常に良い映画だった。

チベットに人権など存在しません 私がその生き証人です」
こう言って彼は、私には想像も出来ないような、過去の拷問の体験を淡々と語る。穏やかだがしっかりとした語り口で。
私はチベット問題について本をそれなりに読んでいるので、中国による支配の過程や、拷問や虐待については知っていたけれども、パルデンの言葉や表情を通してそのストーリーを聴くことで改めて深く考えさせられた。

ちなみに原作は、インターネットの署名運動によって最近復刊されたばかり。
映画や復刊を機に、多くの人にチベット問題のことを知ってもらえたらな、と思う。

雪の下の炎

雪の下の炎