〜恥辱

南アフリカノーベル賞作家、J・M・クッツェーの99年の作品。
主人公デヴィッド・ラウリーは文学教授であり、バイロンワーズワースなどロマン派詩人に傾倒している。またどうしようもない女性好きで、挙句の果てに学生へのセクハラで職を失う。
読み始めてしばらくは、この哀れな中年男の堕落物語かと思ってたのだけど、後半これでもかと南アの現実が彼の身に降りかかり、堕落どころかまさに恥辱を味わう。バイロンのオペラと農園の黒人コミュニティ、暴力。一見アンバランスだけれども、これが南アなのかなあと思った。こんな小説は初めて読んだ気がする。


J.M. クッツェー, J.M. Coetzee, 鴻巣 友季子 / 早川書房(2000/12)
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