〜空中庭園

角田光代の『空中庭園』は、「何事もつつみかくさず」がモットーの京橋家について、ママ、パパ、娘、息子、祖母、家庭教師がそれぞれ1章ずつ語る形式になっている。
それぞれの登場人物の視点で書かれた物語を読み進めるにつれ、各々が持つ秘密や思いが次々と明らかになり、一見纏まっている京橋家の異様さやいびつさが見えてくる。
家族であることから逃れられないという恐さが、伝わってくる作品だ。
設定に「いかにも」な所があるけれども、なかなか面白い。
もうすぐ映画化されるらしい。

空中庭園 (文春文庫)

空中庭園 (文春文庫)