〜緑色のストッキング

makiflat2005-10-02

箱入り版の安部公房『緑色のストッキング』(新潮書き下ろし劇場)は、ブックオフにて¥100で購入した。
Amazonマーケットプレイスでは同じ版が¥2,600で売っているのだけど、ブックオフが値段を間違えたのかマーケットプレイスが高すぎるのか。
さて、『緑色のストッキング』は戯曲である。
舞台は、安部公房らしく病院で、変な医者やエロい看護婦が登場する。
主人公はごく普通の男なのだが、趣味の下着集めが家族にばれ、自殺しようとしたが失敗し、病院にて「草食人間」の実験台となる。
医者、助手、看護婦、男、男の家族のやり取り(セリフ)が本当に滑稽で、小説とは違ってセリフしかないのに、面白い。
役者の動きや舞台セット等の説明が事細かに書いてあるのだが、裏方が突然劇に参加したり白布の中から人物が登場したりして、実際の舞台を見たらさぞかし面白いだろうなあと思うけれども、シュールすぎて難しそうでもある。
本の中に当時(S49年)の公演情報の紙が挟まっており、キャストを見ると田中邦衛が主役だったようだ。