〜インドでわしも考えた

椎名誠がインドを旅したエッセイ。

インドに行くことになった。毎度ながら別にたいしてスルドイ目的意識やテーマというものはない。それじゃあこのへんでそろそろインドへ行ってみましょうか?うーんそうですなあ、というような程度である。しかしインドという国はこの程度の意識と態度ではたちまちインド研究家およびインド崇拝派および印度的瞑想思索人およびインド哲学放浪者およびヒンドゥ教を邪教から守る会および東インド解放戦線地むぐり砂けむり派等々からさまざまな非難指弾のひとかたまりを浴びそうなこころもとなさ、というものがある・・・・・

から始まるこのエッセイだが、結局椎名氏は「空中に3メートルほど浮かぶヨガの行者を徹底的に探して歩く」ことをメインテーマに旅することになる。
各地で暑い暑い暑いアツイアツイと云いながら、インチキヨガ行者に出会ったり土産物屋で無理矢理買わされたりするお話が続き、見知らぬ国を旅する椎名一行の姿が目に浮かんで面白い。
わたしも「このへんでそろそろインドへ行ってみましょうか」な旅なので、事前にこんな楽しい旅話が聞けてよかった。文庫本なのに写真もたくさん載っていて、良かった。
それにしてもそんなに暑いのかなあ・・・。

インドでわしも考えた (集英社文庫)

インドでわしも考えた (集英社文庫)