〜青木淳悟

青木淳悟の『四十日と四十夜のメルヘン』を読んだ。
これはついつい帯買いしてしまった本である。
帯には次のように書いてあった。

保坂和志氏 「ピンチョンが現れた!」−(新潮新人賞選評)
いや実は、ピンチョンを最後までちゃんと読めた事は無いのだけど、「ピンチョン現る」とか言われたらどうも気になってしまって。

確かになかなか面白かった。
小説の中に小説や私的な日記や書きかけのメルヘンが出てきて、場所は上井草を中心に、大久保や松戸や湯布院、そしてフランスにぶっ飛ぶ。
そして日記やメルヘンの中に様々なエピソードが出てくるのだけれど、それがまた一癖あって良い。
スーパーマーケットの話、部屋のチラシの山の描写など、くすりと笑ってしまうような面白さがある。
ただ、すこし物足りなさは残る。
センスの良さは十分に堪能したけれど、「小説を読んだー」という満足感に欠く気がする。
まあ、今後に期待です。

ちなみに、amazonでは品切れ中の模様。 私が行った本屋でも平積みされていなかった。

四十日と四十夜のメルヘン

四十日と四十夜のメルヘン