〜春の雪 ―豊饒の海(一)
『暁の寺』に引き続き『春の雪』を読んだ。
最近映画化されたばかりだけれども、まさに映画化されるに相応しい、美しく悲しい恋愛小説だった。
しかし!本当に驚いたのは、『春の雪』が1個の完成された小説であるのと同時に、『豊饒の海』4部作の「起」としても完璧であることだ。
『暁の寺』を読んだ私にとっては、本多繁邦の学生時代が書かれた『春の海』は、清顕の悲恋物語というよりも、本多の人生物語の序章となる。
緻密に、繊細に書かれた学生時代の彼の心の動きは、完全に将来の彼の下地となっている。
マニ法典にはまってしまう所など、本多っぽいなあなんて思いながら読んだ。
映画はもちろん、清顕(妻夫木くん)の恋物語中心なのだろうけど、気になるから観に行ってみようかな。→サプリメントで一緒に摂りたい成分
- 作者: 三島由紀夫
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